学校公認の裏口入学(諸説アリ)は実際どうなのか

本記事は、「奈良高専アドベントカレンダー2021」の23日目に該当する記事です。

 

3年情報工学科の杉山です。名乗るようなSNS上の名義が定まっていません。この記事を読んで、あの人かってなってもらえたら嬉しいです。私です。

本記事では、奈良高専平成31年度に開始されてから、毎年受験シーズンに物議を醸し、Twitterのどこかで燃えている、すんごいチート受験枠の「女性エンジニアリーダ―養成枠」についてお話します。可愛い可愛い受験生のみんなも、これを参考に進路を考え直すといいですよ。

 

他の記事もここから見れるのでぜひ見てみてください。つよつよ趣味とかつよつよ人生logとか寮から脱獄してる人が拝めます。貴重ですよ。多分どんなサイトをあさるよりも奈良高専のことわかるんじゃないでしょうか。

adventar.org

これはtwitterのモーメントです

twitter.com

 

 

本記事では以下の内容について書いてるので、気になるとこだけ読むといいです。

「女性エンジニアリーダ―養成枠」とはなんなのか

初見の人は女性エンジニアリーダ―養成枠って何?きもって必ず絶対思うと思います。そんな方の為に、詳しく説明していきます。

 

女性エンジニアリーダ―養成枠とは、女子学生比率の向上と本校の特色化を目的とし、奈良高専平成31年度より新たに設けた受験枠です。将来、より多くの女子学生がエンジニアとして社会で活躍できること、 また、女性エンジニアリーダーを育成することを目標としています。*1

この目標達成の為、課外プログラムとして、しなやかエンジニア教育プログラムとかいうのも同時に始められました。この枠で入学した人が優先で、最大20人が参加できます。無料で、学外からすごい企業様やら各分野のすごい人から、すごい為になるすごいお話聞けたり、すごいワークショップに参加できたりします。すごいですよね。*2

 

そんな最高のオマケまでついてくるこの枠、一体受験生はどれほど難しい試験を乗り越えて勝ち取るのでしょうか。とりあえず出願条件を見てみましょう。以下に出しているのは、平成31年度、つまり私が受験したときの出願要項です。*3

・応募は第一志望の学科のみ

・中学2年、3年の成績の合計が84以上(90点満点)

・中学2年、3年の各成績の合計がそれぞれ40以上(45点満点)

・中学3年の数学、理科、英語、技術・家庭の成績がそれぞれ4以上(5点満点)

2年生と3年生の時点で、全学期の全教科の成績においてほぼ5をとることが前提の設定になっています。日頃の行いが大事らしいです。テスト前日にテキトーな教科書見散らかしたらいけるような定期テストを受けてた人はウハウハでしょうが、真面目に生きても厳しいエリート中学の方は、もうギャン泣きです。格差ですよね。ええんやで、受験やめても。

 

ちなみに令和4年度の要項ももう既に公開されていますが、

推薦書・調査書と面接の結果を総合して合否を判定します
・総合点(300点満点)=調査書(150点満点)+面接(150点満点)

という謎の記述と、学科が第二志望まで書けるという上方修正が加えられていました。

いやなんで増やしたん?

 

こんな畜生みたいな出願条件で受験するテストはなんでしょうか。ほぼオール5の模範生徒しか出願できない、しかも日本の誇る高専です。天井に上靴を投げて足跡~とか言ってゲラゲラ笑ってたり、吹奏楽部の癖して制服体操服全部にペンキを付け親に怒られたりするような脳死野郎には受かりっこないような難しいものかもしれません。それでは選抜方法を見てみましょう。

 

女性エンジニアリーダー養成枠では適性検査を免除し、出身学校長から提出された推薦書、調査書と面接(個人)の結果を総合して行います。*4

_人人人人人人人人_
> 筆記試験は? <
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受験期.log

女性エンジニアリーダ―養成枠とはなんたるかがわかったところで、実際に私が受験生として可愛くビビり散らかしていた時の話をします。これ読んで、なんでこいつが...って思った人、この受験枠はそういうことやで。すまんな。

 

私の出身中学は、奈良県の、ちょっとだけ治安が悪い、昔マンモス校として有名だったらしいところです。関係者に聞いたら治安悪い自慢いっぱい聞けますので、機会があればどうぞ。火災報知器は、チャイムくらい(ではないけど)鳴る。

そんな私の中学は、比較的定期テストが簡単でした。中2で部活鬱すぎて授業とかずっと寝てたらあれよあれよという間に成績が落ち、クソデカ学習塾に晴れて収監。そこで、他校の定期テストの過去問見せられて泣いた。むずくておったまげた。意味わからんくてとりあえず寝た。同じ内容だったとしても、問題の難易度の差がすごい。このテスト達をひとくくりに「定期テスト」として評価の基準にしてるのヤバイって思った。他校の方々、大変ご苦労様でございました。

そんなこんなで、塾というドーピングにより、オール5周辺の学力に見合わない圧倒的なパワー系成績表をゲットした中3前半。期待値爆上げやめな???とか思ってました。

 

高専については、この時点で存在を知ってるくらいでした。周りに高専生の知り合いが何人かいたし、父からも話を聞いていたので。ただこの時点では受験しようとは思っていませんでした。

なぜなら聞く話がどれも極端だったから。高専は就職進学最高、校風は自由で、勉強する環境としても素晴らしい。5年間を通して4年制大学卒業レベルまでやって、つよつよエンジニアになれる最高の学校ですってよく言われていますね。なのにその一方では、留年しまくる、レポートはクソ、徹夜で魔剤必須、男しかおらんオタクしかおらん彼女できん青春ない、教員はクソとも言われています。は????て感じですね。とりあえず触らぬ神に祟りなしと思ってました。

 

いつ頃進学先に高専を考え出したかって言うと、中3の秋とか冬レベルでした。もうそこら辺の流れ忘れちゃったけど、確かきっかけは技術の授業。くそ綺麗なCGで最新テクノロジーの綺麗なとこだけかき集めた感じの動画何個か見せられて、まんまとすご!!やりたい!!!って思わされました。sayaちゃんっていう17歳のAIさんめちゃくちゃかわいかった。見せられたやつじゃないけど、下の動画で拝めます。

 

youtu.be

それでいろいろ調べてたら、めちゃめちゃド平日に、親に制服のまま高専に連行されました。普通に授業中やって、建物のでかさだけわからされて、ご飯食べて帰りました。

それから高専に女性エンジニアリーダ―養成枠とやらがあるっていうのを知って、え、いけるやんあざーすとか思って出願しました。多分なくても受けてたけど。

 

受験と言っても面接しかなかったんであれですが、事前の対策も一応してました。初めての受験枠ということで情報0だった上に、受験内容が雑魚過ぎて、合格させる人数めちゃくちゃ少ないんじゃないか?って思っていたので。ビビりまくりでした。もうほぼ原稿も身振り手振りも大体決まってますレベルまでやりました。

これはネタバレなんですけど、そこまで準備いらなかったです。

面接練習もめちゃめちゃやった記憶あるけど、現E科のラブライバーさんが面接でふざけて先生に怒られてたって聞いてゲラゲラ笑ってたことくらいしか覚えていません。ただ、受験時期みんなより早くて、授業抜け出して面接練習するとかでめちゃめちゃたのしかったです。

試験どない?

あまりにも情報が少ない、この受験枠の受験時どないだったかについて書きます。Yah○○!知恵袋目指して書きます。

 

当日はたしか適性検査枠(もう1つの受験枠)の筆記試験が終わってから、同時に面接をやっていく感じだったので、朝めちゃめちゃゆっくりでした。家で妹と暴れていました。土日に受験だったので、そのとき暇だった家族と一緒に車で向かって、私だけ高専で降ろされて、他みんなアピタ行きました。

 

その後食堂で受験生のみんなと仲良くお通夜状態で面接待機。この中で誰が受かるんかなーとか思いながら虚無ってました。みんな受かりました。

 

いざ面接。相手は3人で、言動が慣れるまでめちゃめちゃツボに入るけど大天使な国語教員と、クソデカ声量のI科教員、あとは誰かわすれたけどおじいちゃんでした。

最初はテンプレ通りに入室後自己紹介して、志望動機を聞かれました。それから女性ということをどう生かしていくかとかの女性エンジニアリーダ―っていう名前に沿ったこと聞かれてたと思うけど、多分適性検査枠と質問内容はほぼ変わりません。自分の意志さえあれば大丈夫って感じでした。

その中で、入学したら何かをしたいかを聞かれて、その年に見に行ったリズと青い鳥って映画がめちゃくちゃ良くて、吹奏楽部入ってオーボエやりたいと思ってますって話を5分くらいしました。入学前に初対面の女子中学生が映画のことをノリノリでしゃべってるんきしょすぎる。てか高専で入学後にしたいことでそれ言うてるんやばすぎる。

 

今思えば、もうこの受験枠は全員受からせることわかってたんかなってくらい入学前提で楽しく面接してた気がします。もはや入学前に挨拶しに行ったようなもんですね。

この制度が受験シーズンになるとツイッターで燃える理由

なんでこの受験枠が裏口入学なんて言われ方をしているんでしょうか。可哀想です。ちょっと理由はわからないですが、私なりに考えてみました。

  • 内申点で筆記試験免除
  • 全員合格

これですよね。

 

まず、内申点が筆記試験の代わりなのがおかしい。内申点は勉学に対する真面目さの指標にはなり得ますが、内申点がいいからといって学力があるとはならないわけです。だって私がそうだから。学力くそでも真面目に授業受けてテスト前ある程度頑張れば取れる人もいれば、死ぬほど普段から勉強してて学力テスト良くても定期テストがそこまでよろしくない人だっているわけですね。だから多分免除するとこが違う。免除するなら、筆記試験よりかは面接だろうという感じですね。

 

そして、一番やばいのがこれまでにこの枠で不合格者がいないこと。結果として適性検査枠に割り当てられる枠が減り、倍率を跳ね上げているわけです。つまりこの枠になったせいで不利になった人たちがいるんですね。現状E科、S科、M科の3学科はそもそもこの枠の受験生が少ないのでまだマシかもしれませんが、C科とI科がやばい。正確な数はわすれましたが、私の年のI科は大体20人中10人程度が持っていかれていました。すまんな。

 

これは内緒の話なんですが、保育園と中学が一緒だった聖母みたいなやさしさの男の子がいたんですね。その子もS科を受けたんですが落ちてしまいまして、テスト返却かなんかの時に喋ってた流れで言われた「裏口入学やん笑」が今でも忘れられません。声は笑ってたけど目が笑ってなかった。許してくれ。

 

でも、奈良高専側としては真面目な女の子を絶対に確保できるわけですから、目標達成してるし別に問題ないわけですね。学生側が無事かは別として。

まとめ

正直やっぱり何度見てもチート。全員合格ってヤバい。これは個人的な考えですが、この受験枠10年ももたない気がします。もしこの受験枠で落ちたとしたら、それは多分伝説になれますよ。

 

追記:2022年の受験C科の人数バグったらしく回し合格と落ちた方がいたそうです.伝説ができてしまった...

*1:コピペ

*2:すごい

*3:コピペ

*4:コピペ